劣化の種類

症状① 黄変

            

ポリカーボネートは紫外線や空気中の酸素や薬品など様々な要因に触れることで組成が変化し、表面に茶褐色の転移組成物が結晶のように発生し、これが黄ばみの正体です。

ポリカーボネートは無垢の状態では極端に弱いため、外気に触れないようにハードコートが施されて製品化されています。

日に当たりやすいヘッドライト上部からハードコートが剥がれ、剥き出しになったところから黄変が進みます。

黄変はヘッドライトクリーニングでほぼ完全に取り除くことができますが、無垢のままではすぐに再発しますので、必ずハードコートの再生も同時におこないましょう。

症状② ハードコートのクラックと剥がれ

            

耐傷性に優れたハードコートですが、それでもやはり長期に渡って紫外線を浴び続けることで劣化が進み、クラックや剥がれが発生して、無垢になったところから黄変していきます。

日本製のヘッドライトのハードコートは特に紫外線が当たりやすい上部から剥がれが発生します。

輸入車や海外製ヘッドライトを使用した国産車では、日本製に比べて、より固いハードコートが施されているため、クラックが発生します。(一部例外もあり)

ハードコートのクラックや剥がれが発生したヘッドライトは、劣化したハードコートを取り除き、再度ハードコートを施すことでほぼ完全に再生することができます。

症状③ 全体的にムラのない白化・白濁

            

ポリカーボネートは変形によって白化・白濁します。

写真のようにムラなく全体的にぼんやりと、ちょうど「寒天」のように白く濁っている場合、熱膨張によって発生した白化と考えられます。

このような白化は、レンズの素材自体の変質のため残念ながら完全な再生は不可能ですが、ほとんどの場合は黄変も発生しているはずですから、ヘッドライトクリーニングで大幅な改善が期待できますのでお気軽にHLCA認定ショップにご相談ください。

こうならないように、早めにヘッドライトクリーニングを実施し、白化の主原因である熱をできるだけレンズに与えないことが長持ちさせるポイントです。

症状④ ムラがある白化・白濁

            

写真のようなムラがある白化の場合は黄変に似た症状で、表面に転移生成物が白い結晶のように発生しています。

(写真にオンマウスで拡大表示できます。)

写真のような場合は、ライト点灯時にまるで「ちょうちん」のようになり、かなりの照度不足になっているはずです。
レンズが熱くなりやすく、変形・破損の原因となりますので、早めの対処が必要です。

このようなムラのある白化はヘッドライトクリーニングでほぼ完全に取り除くことができますのでご安心ください。
ただし、無垢のままではすぐに再発しますので、必ずハードコートの再生も同時におこないましょう。

症状⑤ 輸入車

            

輸入車のヘッドライトは国産に比べて非常に硬いハードコートが施されています。

硬くて厚い分、クラックが広がって写真のように表面がボロボロになってしまいます。

国産車でも一部の車種では海外の工場で作られたヘッドライトを使用している場合があり、輸入車と同様の症状が現れます。

これらのヘッドライトのハードコートは非常に硬いため、国産車に比べて施工に時間が掛かる場合があります。(車種別情報参照)